日本共産党流山市議団
高橋議員の活動

令和4年度 流山市一般会計歳入歳出決算認定について、反対討論しました。

日本共産党を代表し、「令和4年度 流山市 一般会計 歳入歳出 決算認定について」、反対の立場から討論します。

まず令和4年度は、コロナ禍も3年目、物価高騰も2年目という中で、市民生活の厳しさや、助けを求める声が 我が党に次々と寄せられてきた1年でした。
また、そんな市民の実情に対し、国・県も様々な支援をしているとはいえ、不十分な内容であり、消費税の減税や最低賃金・全国一律1500円など、抜本的な経済対策が求められた1年でもあります。さらに、市民に一番身近な自治体として、住民の福祉の増進への取り組み強化が、例年になく求められた1年でした。

そのことを念頭において、以下反対の理由5点を述べます。

まず、第1に、増え続ける市税について、「住民の福祉の増進」に充分使われているとはとても言えないからです。特に、年金削減と物価高騰が生活苦を広げる高齢者では、特別会計への繰り出し金を除く、高齢者一人当たりの老人福祉費は20年間で、1万1336円だったものが2252円へと、5分の4も削減されています。また地域経済の振興策をみても、融資や観光費が増大しているとはいえ、全市の産業を視野に入れた地域経済の振興策の停滞は、将来を見据え相当な深刻さがあると言わざるをえません。
市長の言う「価値の高い街」という名の通り、固定資産税の負担増など資産の「価値」は高くとも、「住み続ける」、「営業し続ける」ことが難しい街へとなりつつあることに強く懸念を示すものです。

反対理由の第2に、救急医療をはじめとした医療の脆弱(ぜいじゃく)さについて、根本的な手が打たれていないからです。わが党は、以前から東部地域も含め、医療体制や病床数の脆弱さを指摘してきました。市も8年前から認識しつつも、打つべき手は民間任せというのが実情です。また、「緊急時、急病時の病床が足りない」と市長はコロナ禍の教訓を決算委員会で答弁しつつも、新病院誘致以外、打てる手を打とうとしていません。
結果、人口比に対する病床数は、県平均を下回り、その差が年々拡大しています。しかも、この深刻さは新病院が誘致され、開設するまでの長期間、市民に我慢を強いるものであり、決して認められるものではありません。救急医療に係る5事業について、歳出総額の0.2%にあたる1億6千万円の予算を増やし、今でも脆弱な救急医療体制を維持・充実させる最低限の役割を果たすよう強く求めます。

 第3に、福祉の増進どころか、医療の脆弱さも是正しない一方で、不要不急のバラマキが散見されたからです。その特徴的な点を2つ指摘します。
まず一つは、旧割烹新川屋についてです。資産価値ゼロの建物を改修する経費に5億円、多くの市民からは怒りの声が広がっています。そもそも利活用の方法や方向性も考えず、ましてや初見(しょけん)の立ち合いに庁舎 管理部門の市職員を立ち合わせない やり方を大いに反省するべきです。「改修はゼロベースで見直す」ことを強く指摘します。
もう一つは、「白みりんミュージアム」建設です。土地の無償提供に飛びつき、結果として建設コストは軟弱地盤を理由に高騰しています。免震構造・鉄骨コンクリート4階建ての消防本部・中央消防署より、坪単価で高くなった事実は、消防本部 移転建設費を節約する職員の奮闘はおろか、コロナ禍のもと市独自のPCR検査センターの休止や地域経済振興策の制限など節約する職員の努力も無意味にするものと指摘します。しかも、この2事業は市長が肩入れする株式会社流山ツーリズムデザイン(DMO)が震源地です。バランスを欠いた政策判断に強く抗議し、DMOも含め、市長の政策優先順位そのものをゼロベースで見直しするよう求めます。

第4は、職員配置への支障です。20年間「民で できるものは民で」を続けてきた結果、高度で専門性の高い市職員集団が育ち、組織化されているかと言えば、不十分さを残しています。その結果、児童虐待では職員一人当たり3300件越え、不登校では職員一人当たり110件越えなど、大きな課題となっています。
また、民間主導で依頼してきた障害者の地域生活においてはより深刻です。職員一人当たりの相談件数が770件を超える現状は、長期に渡る安すぎる委託費の結果、民間事業所では処遇改善も、人手不足の解消も、人材育成も進んでいないことを示しています。このまま、重層的支援と組織改編をやっても、重い業務負担はさらに重くのしかかる可能性があると指摘します。

第5に、反対理由の最後に、行政の透明性についても指摘するものです。5期20年が問われた今年春の市長選挙でした。「ぐりーんバスの料金値上げ」を議論していながら市民へ問いかけもしない、また旧割烹新川屋の改修見積り5億円についても、白みりんミュージアムの建設費高騰も公表されていませんでした。
これでは、有権者の正確な判断に向けた情報提供が なされたとはとても言えません。これらの情報は、市長の判断次第と思っているのであれば、大きな間違いです。ぐりーんバスの赤字補填も、旧割烹新川屋の購入も改修も、白みりんミュージアムの建設も、すべて市民の血税です。その血税は、支払いが遅れ給料を差し押さえられ、自殺された20代の青年の「命の代償」とも言えます。透明性の担保は、民主主義・二元代表制の基本であることを改めて強く位置づけるよう求めまして、反対討論を終わります。

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