2021.12月議会に急きょ提案された基金条例は、議員にはもちろん市民には寝耳に水です。新たな変異株オミクロンの感染が脅威となり、5波の感染爆発&医療崩壊を経験したい今、市政の優先課題はミュージアムの建設ではありません。
2年にも及ぶコロナ禍で市民・業者は厳しい生活を余儀なくされています。そのような時に市民を応援の政治が求められているのではないでしょうか?市政のベクトルが全く間違っているとしか思えません。
怒りをもって議会本会議で、日本共産党を代表して反対討論を行いました。
賛成した党:流政会、公明党、自民党、流山みらい
反対した党:日本共産党、社民党、NHK党
【討論内容】
「議案第105号 流山市白みりんミュージアム基金条例の制定について」、反対の立場で討論を行います。
反対の理由は第一に、市民の実感・切実な願いに応えていないからです。
今、流山市民が市政に一番望んでいることでしょうか? 市の最大の課題は、新型コロナウイルス感染症対策など医療や保健・公衆衛生の充実に全力をあげることです。また、ワクチン接種の大幅な遅延やコールセンターへの苦情等が殺到した経緯から行政への信頼回復が最も重要です。
更には、議会のやりとりを考慮すれば、深刻に急増している虐待や DV 対応の拡充、学校の老朽化対策、保健センターの狭隘化の対策を含めた公共施設の更新が大きな課題です。また、建て替えが迫られている児童相談所、県内で最も管轄人口が多い県立松戸保健所の分割など市民生活に欠かせない行政課題は山積しています。こんな時期に観光の起爆剤がどうして必要なのでしょうか。全市民的な優先順位からしてみれば、優先度が高いものとは思えません。
第二に、行政の計画性を壊しかねません。
政策や優先度については、是非を含めて議論を重ねつつも、行政の計画性とは、立場の違いを超えて認識を共有すべきものです。
ところが、「白みりんミュージアム」建設計画は、今議会で突如提案され、令和6年度に開館するとのことです。議会は元より市民には全く寝耳に水の話です。
こんな話が今年度予算委員会で話題になっていませんし、市長のマニュフェストにも、令和3年度版「総合計画・実施計画」にも「ミュージアム」の“ム”の字もありません。
こんなことでは、行政の計画性はどこにあるのですか。議会での話題にも争点にもなっていないような箱物づくりは、議会制民主主義・議会軽視と言われてもおかしくないでしょう。
第三に、説明責任や透明性の高い施策決定に不信感を広げかねません。
市民・経済委員会の質疑でも明らかになったことは、1つ、基金条例の市の積立金額について目標金額も、その裏づけも明確な答弁がありません。2つ、全体の建設規模や敷地面積はどの大きさなのかも答えがありませんでした。3つ、飲食店やどのような体験をするのかも決まっていません。4つ、入場料を設けるのか、黒字化をめざすのかなど、不透明だらけです。5つ、「基本計画、基本設計、実施設計」のスケジュール計画も策定時期は不明です。建設ありきで、建設スケジュールも大雑把な提示になっており、年間の運営費すらも不透明というのでは、破綻した昔の箱物行政そのものと言わなければなりません。
その他にも4つの問題点を指摘します。1つ、ミュージアムの新設の前に、市立ミュージアムの博物館の長寿命化に何故着手しないのでしょうか。本市にミュージアムが2つ必要なのか、合理的説明をすべきです。2つに、この立地場所は洪水ハザードマップによると浸水した場合、予測される深水は3〜5mの地域であり、災害想定を無視した新規の建設計画になっていること。3つ、南流山センターを始め、本市のふるさと3品紹介コーナーにも白ミリンの表記がないこと。4つ、市民の日々の生活上、欠かせない調味料であるミリンは価格の安いみりん風に置き換えられていること、などを勘案すれば、白みりんにとって必要なのは公費を使ったミュージアム建設ではなく、市が率先した普及・啓発が必要と考えます。
最後に、新たな変異株オミクロンによる感染拡大や3回目のワクチン接種など更なる行政需要に早期に、確実に応えられるよう人員の配置をするためにも、「白みりんミュージアム建設」は直ちに中止するよう求めて、反対討論とします。
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添付書類)