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現地で説明を受ける市民経済委員会 |
今議会に提出され、市民経済委員会に付託された「陳情17号野々下で進行中の休耕田の埋め立てに関わる農地転用を許可しないように求める陳情書」。
9月17日、29日に審査が行われました。(赤文字は回答概要、私のメモの範囲)
29日の審査では、私は以下のような質疑を行いました。
(Q)生物多様性に関わるモニタリング調査活動を通じ、「野々下・古間木に残る里山地域の自然環境を守りたい」との願いは、「都心から一番近い森のまち」と追う本市の総合計画の方向性とも、生物多様性などの取り組みとも合致していると捉えています。
だからこそ、その願意、理想を実現するためには、私は3つの条件が不可欠と捉えています。
1つは、地権者の合意です。2つは、個人に負担が強いられている経済的負担の解消です。3つは、個人に負担を強いられている維持管理、つまり労力の負担解消です。
そこで順次、前回答弁を振り返りながら、質疑します。
まず、地権者の合意について、みどりの課及び環境政策課のどちらかになると思いますが、お聞きします。
(1)複数の個人が所有する里山の自然環境の保全のためには、地権者とのより良い関係性の構築、できれば地権者もその理想を実現するために一緒に取り組んでいただければベストです。しかしながら、今回の委員会審査を通じ、地権者との合意に支障にならないか大変憂慮していますが、どう捉えていますか?
(みどりの課)地権者とは良好な関係構築が必要です。
(2)理想の実現、つまり「里山の自然環境の保全」がメインの陳情ではなく、農業員会をターゲットにした陳情になっていることについてどう捉えていますか?
(環境政策課)考えが及ばない。
(3)また景観上、現地は何か問題はないのですか?
(都市計画課)問題はありません。
(Q)次に、個人に強いられている経済的負担の解消では、市が126億円を拠出し購入するか、もしくは理想の実現を求める市民又は市が借りるかしかありません。
そこで1点、陳情項目ではそれら提起する項目はありますか?
(みどりの課)項目はありません。
また、個人に強いられている維持管理、つまり労力の負担の解消では、市が公費8100万円を拠出し、解消するか、それとも理想を求める市民がボランティア等を通じ解消するしかありません。
そこで1点、陳情項目ではそれらを提起する項目はありますか?お答えください。
(みどりの課)ありません。
(Q)経済的負担と労力の負担、2つの負担解消に向けては、例えば市民らが協働し、農地所有適格法人を立ち上げ、耕作放棄地を公園のような畑に変え、農業生産を継続しながら自然環境を守っている千葉県鴨川市のような取り組みもヒントになる捉えています。そこで、野々下・古間木地域の里山を守るための課題、経済的及び労力の負担解消につながる参考事例があれば、お示しいただけないでしょうか?わかる範囲で結構ですので、答弁を求めます。
(農業委員会事務局)参考例把握していないが、市内では地権者の同意のもと、学校の自走が田植え体験をこない、収穫するなどの体験学習は実施されている。
(Q)次に、経済的負担も、維持管理に関わる労力の負担も、その解消が陳情で提起がされていない今、個人、つまり地権者の負担を求められ続けている現状です。つまり、地権者個人の土地活用でこの2つの負担を解消する道が残されてしまいます。
そこでお聞きします。みどりの課にお聞きします。各所管の各種「戦略」、「計画」は地権者の土地活用に対し制限したり、義務を課しているのですか?お答えください。
(みどりの課)ありません。
※環境政策課については、森田委員の質疑に対し、生物多様性に関する計画では地権者に義務を課していないと答弁しています。
(Q)次に農業委員会会長に2点、農業委員加事務局に1点、お聞きします。
1つは、今事案は大きくは、「田んぼから畑」への改良です。農作業という体力的負担や、トラクターなど生産に関わる経済的負担はどちらが負担は軽いのですか?また収益性はどちらが良いのですか?
(農業委員会会長)例をあげれば、田んぼ1反で収穫できるのは年間1回で、10俵。一方カブの場合は年3回収穫できる。気候に影響されやすいとはいえ、経済的な収益性は大きく違い、そのうえ機器類をそろえれば、水稲は負担が大きい。
2つは、今事案の周辺は雑木林や斜面緑地に囲まれた台地、つまり谷津田だと思います。また周辺より自然形状上、標高が高い土地でもありませんので、軟弱な土地かなと思いますが、こういう場所の畑での生産において心配されること、注意しておく点は何かあるのでしょうか?
(農業委員会会長)現地は湿地、湿気が多く、カメムシも発生しやすいと思われる。水はけも考慮した畑への転用が必要
(Q)農業委員会事務局には、今事案では「芝生の生産」が目的となっていますが、芝生の生産を続けたが、うまくいかない、また採算が合わない場合、野菜などの生産へ変更しても良いのですか?その際、農地法に照らして農業委員会は何か対応されるのですか?所有権の移転や農地そのものをやめるという場合はどのように農業委員会は関わるのですか?
(農業委員会事務局)芝生から保野菜に変更する場合は、聞き取りお行い、適正な農地活用をお願いする。また所有権移転などは別途、農業委員会の事務が必要となってくる。
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休耕田の地権者であり、前水利組合会長(現在は解散) |
(Q)最後に農業委員会事務局にもお聞きします。
我が党は現行の農地法は正しいという立場には立っていません。2009年、H12年の改正では食料自給率向上や環境保全への支障になると国会で反対しました。特に「農地は耕作者のモノ」という大原則の転換に大変強い危機感を持っています。
そこで、4点お聞きします。
1つは、農地法に対する問題意識はいろいろな立場がありますが、農業委員会事務局としては今事案に対する農業委員会の手続き、許可決定まで現行法に照らし、問題はなく、違法性はないのですか?
(農業委員会事務局)ありません。
2つは、今事案は、「農地は耕作者のモノ」という原則が守られているのでしょうか?
(農業委員会事務局)事業者のみの提案ではなく、地権者との共同提案となっており、原則は保持されている。
3つは、国が求める農業委員会の役割、農地の適正利用とは、休耕田のままで放置が望ましいのか、それとも畑に変更し、営農を継続することが望ましいのか、どちらですか?
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農業委員会事務局)営農できるよう活用すること、地権者も望んでいる。
4つは、先ほど農業委員会会長がご答弁された営農継続への懸念については、事務局での聞き取りや農業委員会での聞き取り調査でしっかりお聞きされるのですか?また盛土や、埋立度の質や高さ、安全に課題があれば、誰の責任で、誰の費用で、改善するのですか、その改善目的はあくまでも営農継続という目的実現のためという理解で良いですか?お答えください。
(農業委員会事務局)聞き取りをやってきた。