残高試算表から考察すると…
■損益計算書の当期純利益が△20,257千円(当期純損失)となっている。貸借対照表の純資産合計が△5,010千円(純資産のマイナス残高=債務超過)となっている。
●残高試算表は、通常会社が決算報告書を作成する前に日常の取引に伴う会計処理が入力されているか確認するために作成するものです。
民間企業は残高試算表を作成の後、決算整仕訳を入力して決算報告書(会社法の規程に基づく計算書類、上場会社はさらに金融商品取引法の規程に基づく財務諸表)を作成します。
●残高試算表に、決算整理仕訳が全て入力されていれば、20,257千円の当期純損失及び、5,010千円の債務超過が変動することはありません。しかし、決算整理仕訳が全て入力されていない可能性もありますので、決算報告書をDMOに徴求するなど、更なる調査が必要でしょう。
●DMOは、公金投下がある以上、第4期において20,257千円の当期純損失、5,010千円の債務超過となった原因分析と第5期以降の計画においてどうやって債務超過を解消していくのかを説明する責任があるでしょう。
●民間企業にとって、債務超過はいずれ倒産する状態です。民間金融機関にとって、そのような状態の会社に融資することは背任(会社に損害を与える行為)とみなされることもあり得ます。
●DMOが第5期以降の債務超過の解消計画を合理的に説明できない場合、市は直ちにDMOから手を引くべきでしょう。
●2023年12月に頂いた「第4期予定損益計算書」の数値を今回頂いた「残高試算表」の損益計算との比較し、経過を定年に可視化するべきでしょう。
■貸借対照表に役員借入金残高6,000千円
●役員借入金は、字句のとおり役員個人(門脇氏?)からの借入金であると推察されます。借入金一覧表によると2024/5/12時点で返済済みであったようですが、利率が「0%」となっており、借入条件が特殊です。
●債務超過になるような会社は通常新規に借り入れることは困難なので、このような融資が実行されたのではないでしょうか。個人経営の会社ならばともかく、役員個人からの借入は異例と言えるでしょう。誰からの借り入れなのか、引き続く調査が必要でしょう。
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残高試算表)