流山みらい提出の「LGBT理解増進法案の廃案を求める意見書」については、反対しました。
なお、経済産業省の職員(トランスジェンダー)の訴えをめぐる最高裁判所の判例を立場を超えて、今ご一緒に考えたいと思います。
戸籍上は男性で、女性として暮らすトランスジェンダーの経済産業省職員が省内の女性用トイレ使用を制限されたのは不当だと国を訴えていた訴訟です。
制限を適法とした東京高裁判決は破棄され、最高裁判所は、「国の対応を違法」とする判決を出し、原告の勝訴が確定しました。
性的少数者の職場環境を巡る訴訟で最高裁が判断を示したのは初めてです。
最高裁第3小法廷は裁判官5人の全員一致で、トイレ使用制限は国の裁量権の逸脱・乱用であり違法と結論付けました。
判決は「具体的な事情を踏まえることなく他の職員に対する配慮を過度に重視し、原告の不利益を不当に軽視するもの」と指摘しました。原告が女性用トイレを使い始めてもトラブルはなく、明確に異を唱える他の職員もいなかった事実に基づいた判断です。
原告が処遇の是正を求めてから約4年10カ月も国側が見直しの調査や検討をしなかったことも判決は問題視しています。
また、、、
宇賀克也裁判官は、性別適合手術は生命や健康への危険が伴い経済的負担も大きく、体質で受けられない人もいるとし、手術をしていない場合でも「可能な限り、本人の性自認を尊重する対応をとるべきだ」と述べました。
長嶺安政裁判官は、とくに「切実な利益」で法的に保護されるべきものだと記しました。
渡辺恵理子裁判官も「人として生きていく上で不可欠ともいうべき重要な法益」と指摘しました。同裁判官は、他の女性職員らとの利害調整を「感覚的・抽象的」に行うことは許されず、「女性職員らの利益が本当に侵害されるのか、侵害される恐れがあったのか、具体的かつ客観的に検討されるべきだ」としました。
性的少数者への偏見が根強い中、事実に基づく議論を冷静に、かつ先入観なく話し合うことが、いま必要なのではないでしょうか。
(
反対討論)