「流山市、100万円賠償」…について
昨日、千葉日報、読売新聞に、市内小学生に対する不適切な指導に対する『和解』について記事が掲載されました。
日本共産党市議団はしっかり対応してきたのか…ご質問(半ば詰問でしたが…)を頂きました。
●過去の市議団HPでの発信について、お知らせします。
http://www.nagareyama-jcp.jp/html/menu6/2020/20200222141558.html
http://www.nagareyama-jcp.jp/html/menu6/2020/20200222141621.html
●過去の流山民報での発信について、お知らせします。
http://www.nagareyama-jcp.jp/html/menu2/2020/20200406161108_10.pdf
http://www.nagareyama-jcp.jp/html/menu2/2020/20200106141047_10.pdf
●事案にも大いに関係した陳情の結果
議会だよりの採決結果(本会議)はコチラ…https://www.nagareyamagikai.jp/doc/2020021700015/file_contents/170-8.pdf
教育福祉常任委員会での審査結果はコチラ…
https://www.nagareyamagikai.jp/doc/2014061700029/file_contents/R1-4_kyouiku_giketukekka.pdf
委員会で審査した「陳情書」はコチラ…
https://www.nagareyamagikai.jp/doc/2019112700010/file_contents/R1-4_chinzyou_16-18.PDF
党市議団の本会議討論はコチラ…
陳情第16号「学校内での事故に対する学校及び教育委員会の対応改善に向けた陳情書」については、委員長報告を支持する立場で討論を行いますが、委員長報告に我が党からの意見も盛り込まれており、重なる発言は慎む立場から、私から2つの提案も含めて討論いたします。
まず、今本市執行部と市教育委員会、そして学校をめぐる情勢を的確に把握する必要があります。陳情に対する委員会審査を拝見しましたが、陳情に至ったそもそもの願意、背景、教訓が十分引き出せたのでしょうか。また、少なくとも議会と市教育委員会、そして陳情者や傍聴者、具体的な共有化ができたのでしょうか。賛否の立場を越えて、正直私には疑問が残っています。陳情本件については、いじめ重大事態への対応の課題と連続してテレビ報道等が行われ、本市教育会に激震が走りました。今激震と受けとめていないような風土が市教育委員会や執行部の一部に残っているのであれば、個人的であれ、組織的であれ、根本からの猛省が必要不可欠だと言わなければなりません。
陳情本件及びいじめの重大事態への対応はもとより、今私どもに次々と寄せられている本市の学校現場をめぐる課題、一例を挙げれば、御自分のいじめられた経験をSNSで発信したり、私の知り合いの御子息もいじめに遭い、教科書が隠されたり、体に大きなあざをつくっていた事例など、過去の話にとどまりません。現段階でも不適格指導をめぐり、市教育委員会と対立している事案などなどの報道が続けば、取り返しのつかない事態になりかねません。それらを払拭することを目的としていなくても、人口増や改革を前向きにアピールすればするほど、学校現場などとのギャップが深まり、彼我を広げることも想定をされます。
そこで、第1に提案します。陳情第16号の本件はもちろんのこと、200件を大幅に超える長期欠席の児童生徒及び顔だけ見せれば出席扱いにするような特例も含めて、いじめ、教員による不適格指導など、児童生徒の訴えや進言をしっかりと聞き取る、それが市教育委員会の把握内容と異なっていてもねじ曲げずに、その結果に基づく対応改善を図ることを提起します。これは、決して蒸し返すというのではなく、教職員の指導力アップはもとより、とりわけ組織的対応の課題や不十分さを二度と生まない、この決意を明確にすることが重要です。
陳情本件は、報道によれば学校での教員による指導の中で、児童の首を締めたことが大変注目をされました。市教育委員会や学校からの報告と被害児童、その保護者の言い分とは大きく異なっています。なぜこの違いが生まれたのか。教員の両手は、児童のどの部分へ、どの方向から、どういう力かげんで児童の動きを抑制しようとしたのか、そもそも体を抑制してまで何を伝えたかったのか、検証や教訓を引き出し、そういう作業を積み重ねて再発防止に力を注ぐことこそ今重要だと指摘するものです。
第2に、その教訓のために、1つ、風通しがよく、相談しやすい職場環境の構築、2つ、学校現場はもとより学童保育、保育園、幼稚園、児童虐待など子どもの発育にかかわる全関係機関の職員の増員、3つ、それらをしっかり監視チェックする体制の強化を提起します。まず、一人一人育ちも、学習能力も、持っている才能も、家庭環境も、モチベーションも異なり、そして生きた人間である児童生徒と教職員が一刻一刻を過ごす学校生活で起きている一つ一つの事案ですから、対応も千差万別、完全マニュアルがあるわけではありません。また、教職員も人間ですから、日常の疲労や突発的な感情の起伏もあり、不適格な指導が絶対に起こらないとは言い切れません。だからこそ公金横領、職場内のハラスメントなど、本市の不祥事の発生のたびに、毎度必ず私からこの議場で指摘しているように、しない、させない、つくらない、この職場風土の確立が欠かせません。
しかし、現瞬間、この「報・連・相」は建前になっていると言わなければなりません。いじめ重大事態をめぐっては報告書で2度、メールで1度、指摘案件が十分酌み取れられず、法令に違反している可能性があることから、記者会見を行えば、残念という言葉で片づけられる。これは、公益通報者保護法を初めとする内部通報制度を公的機関が否定する行為ではありませんか。ぜひとも隠蔽などと思われる態度が闊歩するのではなく、報告、連絡、相談を設定させ、明文化や記録に残し、風通しのよい職場環境や初動対応から組織的把握の構築に全力を注ぐよう、これまで以上に力を注ぐことを求めます。
次に、教員の長時間過密労働があるもとで、教育長は、本市の場合深刻ではないと公言してきました。これではいじめ重大事態への不適格さや、今陳情の本件に対する対応の長期化の原因は、よほど研修に難があるか、学校の管理者及び市教育委員会の経営能力に難があることになってしまいます。担当部長は議会でも認めたように、持ち帰り仕事は年々増加し、保護者対応も増大する。さらに、全国1、2の大規模校を持つ本市で、学級以外子どもの顔や名前が覚えられないとか、教員同士何年何組までわからないとの声が聞かれる状態が残されています。学童保育も、保育園、幼稚園も、児童センターも、児童虐待や母子家庭支援も、妊娠、出産、育児の支援体制も人手不足は明らかです。増員は、私ども国、県に強く求めますが、市で採用できる範囲、採用しなければならない範囲は増員を強く求めます。
最後に、監視チェックする体制の強化として、議会、議員各位にも一言申し上げます。今議会、陳情案件やいじめなどをめぐる体制強化として、新しい仕組みづくりとその体制として、6人から7人程度の対策室の立ち上げが議会答弁等で報告をされました。この大きな一歩は歓迎しますが、その政策判断や具体的指示の決裁日はとうとう最後まで答弁されませんでした。それは、本来なら今陳情案件が協議をされているさなか、またいじめ重大事態における第2次報告書が提出された以降の本年6月14日に開催した総合教育会議で議題として議論され、この半年間、庁議等で積み上げ、新年度の職員採用枠も政策判断に基づき拡大させるというのが行政組織だからです。少なくとも今議会開会日の一般報告で市長から進んで報告すべき重要な組織改編にもかかわらず報告せず、マスコミもいる中で一般質問の答弁で発信する、これなら議会前の記者会見で記者から突っ込まれることもないし、何も決まっていなくても報道されるとでも思ったのでしょうか。本当に安易です。二元代表制のもと、最も位置づけが高い本会議場を軽視かつ悪用したのであれば、子どもの命にかかわる案件だけに重大な猛省を求めるものです。
議員の皆さん、陳情で提出された以上、必ず賛否を表明するのも議会の役目の一つですが、市長の浅はかな実態を読み取るとともに、新しい仕組みの立ち上げの陰で、保健、福祉などの体制充足が難しくなるかもしれないという思いをはせることも忘れてはなりません。また、安全、安心な学校は、行政や学校任せではなく、時には厳しく、時には現場を応援し、支え、励まし、みんなでよくするために環境整備に知恵を絞り合うのも議会の大きな役目の一つです。
市教育委員会の見解に沿って、委員会審査で賛否が分かれた項目、とりわけ陳情項目について、陳情文書では確認を求めているだけで、合意ができなければ提出するなとまで求めているわけではありません。市教育委員会のすりかえられているのではないでしょうか。子どもの命や生涯にかかわり、他市でできることはやらなくていい、そう求めるなら、そう求める方々の力で、「母になるなら、流山市。」というごまかしのキャッチコピーをやめさせていただきたい。
今学校や保育園をめぐる不適格指導の多くが子どもに持たせたボイスレコーダーが根拠となって発覚し、子どもの命と人権が守られている時代であることも十分御認識かと思います。それほど組織的隠蔽や子どもの発育に責任を押しつけるやり方などが、不信が広く保護者を覆っている今の社会に心を砕けば、項目には最低限の保障として、安心として担保させるべきだと私は考えます。
また、陳情本件を初め、行政機関、市教育委員会に長期間不信、不満を抱くことが続けば、陳情項目5で示すような第三者的な機関で解決してほしいと願う市民感情も当然です。しかしながら、法定上できないからこそ、陳情趣旨に明記している事柄については、個人情報に配慮しつつも最大限質疑を行い、その質疑を通して課題を深め、課題を共有化させる取り組みが議会に欠かせないものと私は考えます。
この陳情をきっかけに市教育委員会、市長執行部はもとより、議会を構成する議員一人一人、私も含め、さらなる研さんを重ねること、政策論議を深めることをお願いしたい。そして、ひいては将来住んでよかった、通ってよかったと自慢できる流山づくり、学校づくりは、2019年には大きく揺らいだけれども、2020年からは確実の大きな一歩を踏み出せたと胸に刻むことができるように、議員各位はもとより、とりわけ教育福祉委員会の皆さんのさらなる努力をお願いして、陳情第16号における委員長報告を支持する討論を終わります。
●ちなみに…「講師」とは非常勤教員のことで、1年契約です。
今でこそ、市教育委員会での様々な研修をうけられていますが、当時は、研修もなく、指導教員もいない(県教育委員会の採用試験に合格した正規教員には指導教員がついていましたが…)、年度末・年度初め毎に、市町村の国民健康保険に再加入し、全額自費で健康診断を受けていました。また将来の年金もとぎれとぎれとなっていました。
●いまでこそ市内では、新任講師が小学校1年生を担任することはなくなりました。しかし、いまだに学校現場では多くの非常勤教員が必要不可欠であり、担任も任されています。
ちなみに…2021年12月1日時点で、市内小中学校の教職員「定数」は900人に対し、「正規」834人、「非正規」66人(うち担任は32人)です。
「非正規」=「講師」の現場経験年数は、1年目32%、2〜4年目44%、一方11年以上は10%です。
ちなみに…新学期が始まる4月は、残業時間45時間以上の教員は、小学校で52%、中学校で55%、残業80時間以上は、小学校で9%、中学校で2%です。
教職員のゆとりある労働環境とはとても言い切れません。しかし、どんな理由があろうとも、言葉であれ、力の行使であれ、不適切な指導という名の「暴力」は絶対にあってはなりません。