日本共産党流山市議団
小田桐議員の活動
ワクチン接種の有無による差別から人権を守ることを求める陳情書について
経過法報告(委員長報告)です。

 陳情第20号「ワクチン接種の有無による差別から人権を守ることを求める陳情書」について報告します。

 本件は、流山市新型コロナウイルス感染症対策条例にワクチン接種の有無や証明書等による差別・行動制限、不利益等を禁じる項目を追加することを求めるものです。

 初めに、当局より、本条例は、本市における新型コロナウイルス感染症対策の強化を図り、市民等の生命及び健康を保護し、並びに市民生活および市民経済に及ぼす影響が最小となるようにすることを目的とするもので、その目的を達成するために、市や議会の責務と市民等の役割について、それぞれ定めています。

 制定当時、ワクチン接種が開始していなかったことは事実ですが、第5条第3項に規定する「市民等は新型コロナウイルス感染症にり患していること又は、り患している恐れがあること等を理由とする不当な差別的扱いや誹謗中傷」を行ってはならない旨の記載は、市民生活への影響を最小とすることを目的とする意図のもので、ワクチン接種の有無による差別も含むものと考えております。
 国は、 「ワクチン・検査パッケージ」として、「ワクチン接種の有無」もしくは「PCR検査の陰性の検査結果証明書」等の提示を市民生活に広げる施策が進められておりますが、これは、感染対策と日常生活の回復の両立に向けて進めるもので、条例第5条第3項に定める趣旨に反するものではないものと考えています。
 また、現在、市独自施策として「ワクチン接種の有無」もしくは「証明書等」の提示を進めることは考えておりませんが、今後、国が進める「ワクチン・検査パッケージ」が市民生活に広がっていくに際しては、差別行為や誹謗中傷といったことがわれることのないよう、市民への啓発にも同時に取り組んでいくことが市の責務であると考えております。
との意見がありました。

 また、本審査の過程において、議員間の自由討議が行われたことを申し添えます。
審査の過程における討論として、

1 不採択の立場で討論する。
流山市新型コロナウイルス感染症対策条例は、市民の安全と安心を守るために、新型コロナウイルス感染症対策の強化が喫緊の課題であるという共通の思いから、流山市議会で条例案を策定し、令和2年第2回定例会に上程、全会一致で可決され、6月19日に交付されたものである。
陳情者の思いは十分理解できるものではあるが、本条例の第5条3項に、「市民等は、新型コロナウイルス感染症にり患していること、又はり患している恐れがあること等を理由に、不当な差別的扱いや誹謗中傷を行ってはならない。」とある。この中の「等」という言葉には、複数で1つにとどまらない、その他にも同類があることの意を表し、想定できない事態にも対処できるものも含まれると考える。そのことから、ワクチン接種の有無や証明書等による差別・行動制限、不利益等を禁じる項目なども含まれるものと考える。

2 採択の立場で討論する。
「ワクチン接種で9割以上の効果が出ている」「デメリットよりメリットがはるかに大きい」という正当性を繰り返しても、ワクチン接種後の死者は発生しており、重篤な副反応 も発生しているのが事実である。
ワクチン接種は本人の意思や身体的状況が何よりも優先されるべきであり、流山市の新型コロナウイルス感染症対策条例の制定以後、ワクチンパスポート制度などが出来上がった経緯があることも踏まえれば、何人たりとも差別や不利益、合理的理由に基づかない行動制限は絶対に受けるべきではないこから、賛成する。
同時に、国の制度上、国の法令を超える、また、法令に反するような条例ができないという実態も事実であることは受け止める必要があるし、この条例があくまでも理念を示すもので大きなベクトルを示した条例であることは間違いないと思う。
今回の陳情のように、ワクチン接種を受けられない、もしくは打ちたくないという理由から、差別や行動制限、不利益等を感じるような場面が、様々なところに出てくるならば、それは、ゆゆしき課題として、条例に位置づけするなど、注意喚起を促すことが必要かと思う。
条例上に明記することで、市が窓口を積極的に設け、ワクチン接種を受けない、打ちたくないと思う人が目にするような形での差別の広報などができる取り組みも広がるのではないかと思う。

3 不採択の立場で討論する。
陳情の願意である人権を守ることは、何よりも大切なことであるということは、私も考え ている。しかしながら、全世界的に見ても、公共の利益という観点に立った場合に、国が制度等において、これらの定義を制度化する、法制化するという可能性があることから、それらを禁じる条項を理念条例とは言え、市の条例に明記することは避けるべきであると考える。

がありました。

採決の結果、2対4をもって、不採択すべきものと決定しました。

以上が、委員会の概要です。
委員会での賛成は、日本共産党の私(賛成討論を実施)と流山みらいの菅野議員でした。
本会議では、日本共産党、流山みらい、社民党が賛成したものの、賛成11、反対16で不採択となりました。


結果の報告にとどめようと思いましたが、、、ちょっとだけ一言。

陳情者やその意向に同調されるみなさんにとって、不採択は大変、残念で、不本意でしょう、、、が、自らの陳情前に、医療現場職員がコロナ禍でどういう実態だったのか、それを踏まえ、何を求めていたのか、、、切々と陳述され、委員会審査もご覧になられ、何も響かないのだろうか。

・コロナウイルスという未知との闘いで、
・マスク、防護衣も品薄の中で、感染者との濃厚接触が余儀なくされ、
・無症状でも感染を拡大させるという、想定外の特徴を有しており、
・それでも有症状者のしょそに応じ、命を救うという正義感で最前線に立ち、
・急なチーム編成、3か月ごとの職員ローテーション、極度の緊張感とコミュニケーションが十分に取れないまま業務に追われ、家族への感染拡大の不安、学校や保育園での登園拒否等の扱いなど厳しい日々が続き、
・継承者の対応病床でも、人工呼吸器を装着する方にも対応し、
・多くの命を救ってきた悲痛な現場の訴えは、どこまで響いたのだろうか…

私の知人も、コロナで亡くなっていたことが、半年後、知り得たが、ご家族の悲痛すらも響かないのだろうか、、、

コロナやワクチンをめぐって、市議会には繰り返し陳情が提出されています。その特徴は、自らの主張を先鋭化させ、自らの主張以外は排除し、意にも返さない…大変、心配で、残念でならない。

お互い見えている事案、聞こえてくる事案はある1面かもしれないのです。だからこそ、互いへの配慮や尊重があってこそ、真に理解や共感を得られ、本格的に差別等の解消が前に進むと思うのですが、、、残・念・で・す。
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