日本共産党流山市議団
小田桐議員の活動
発注契約に係る労働条件確認に関する要綱について
県内2市の市議会議員の方から、『流山市発注契約にかかわる労働環境確認に関する要綱』について、ご質問がありました。

2市からというのは珍しいので、何か役立てばと…内容をお知らせしたいと思います。

まず、これは『試行』で、実践を積みかねながらより良いものにしていくという方針だそうです。
一方で、『条例』という議会承認案件になかったところが、広く共通理解を得られる水準に至っていないこと、野田市などの公契約条例制定まで行政当局も深めていないことをを示しているのかもしれませんね。

対象契約は、公共工事だけではなく、業務委託(予定価格3000万円以上である建物清掃業務、給食調理業務、設備機器運転管理業務、受付・警備業務)を入れたことは画期的です。また、必要資料の提出を拒んだり、虚偽記載で悪質なケースは指名停止対象としたことも、一定の自制と抑制が効いたといえます。

この背景には、業務委託における賃金等については、「基準設定が難しい」という理由から行政の介入を拒んでいた姿勢を転換させる事態があったからです。

H25年4月1日〜業務委託したクリーンセンター夜間休日運転業務委託事業で、わずか5日で事業者(関東実技(株))が撤退し、3炉中2炉が緊急停止する事態に至った経緯、その後、事業者が破産宣告し、修繕等の改修費全額の回収が難しくなったこと、入札審査時点で、(1)ガス化溶融炉の運転実績を求めなかったこと、(2)同時期に入札された京都市では、事業者の実績不足や赤字経営になっていることを指摘し、事業委託をしなかったことなどが議会質疑で明らかになりました。またリサイクルセンターで実績のある技術者の継続雇用がされなかったり、労働者の労災に至る事態も発生してきました。こういう経緯の中で、要綱策定への流れが強まりました。

ただし、弱点も残っています。
(1)賃金の適正な支払いを義務付けてはいるものの、公共事業は2省協定の8割、業務委託は『最低賃金』しかありません
(2)安全衛生や労働条件の確認は1次下請けまで
(3)書類提出という条件は付けつつも、現場立ち入り調査がない
などがあると思います。

昨年10月に千葉土建流山支部の方と聞き取り調査した時点では、以下のことを要請しました。
(1)全国的な流れ同様に、公共事業では2省協定の85〜90%は見込んでほしい
(2)上層下請け構造への理解を深め、少なくとも3次下請けまで調査してほしい、
(3)千葉土建としても労働者や事業者アンケートなどを実施している。その結果もお知らせするので、要綱に基づく調査など実効性ある取り組みを実施してほしい
(4)市議会では前払い金制度の改善要望があったが、現場では「書類提出などが煩雑で使いづらいないとのことだった」。簡素化するなど現場の実態に対応をしてほしい
(5)市内事業者の多くは正規雇用で福利厚生もきちんとやっているケースが多い。こういう事業者を評価できる制度設計をしてほしい
などなど。

事業者も従業員も市民も行政も、みんなが笑顔になれる制度へ、引き続き頑張りまッす


(要綱(H25年10月1日〜1年間))
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