日本共産党流山市議団
いぬい議員の活動

「流山市幼児教育支援センター附属幼稚園の廃園方針」の見直しを求める陳情書」採択!

本日(3月19日)の最終日・本会議で、「流山市幼児教育支援センター附属幼稚園の廃園方針」の見直しを求める陳情書」が採択されました。
市民の願いが一歩前進してよかったです。
しかし、市は廃園方針を撤回しているわけではありません。議案として提出させないための取り組みが必要です。活動紹介にあるように、閉会後市長に緊急要望書を手渡しました。

私は本会議で、下記の通り、介護保険特別会計予算と、幼稚園の陳情に関して、討論を行いました。

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日本共産党を代表しまして、議案第10号、陳情第16号に対する討論をいたします。
まず
議案第10号 令和6年度流山市介護保険特別会計予算
について、反対の立場で討論します。
第9期にむけて保険料を上げる予算となりました。保険料の段階を第8期の18段階から19段階とし、約9億の介護給付費準備基金から第9期の三年間で6億を繰り入れ、低所得者の保険料の値上げ幅を押さえるなどの努力がみえます。しかし、それでも最も低い第1段階で年800円、第5段階・基準額で年3600円の値上げです。物価高騰や年金の目減りの一方、国会議員の裏金疑惑の怒りが沸騰している今、介護保険料の値上げは理解が得られないと考えます。
さらに、2月に発表された介護報酬では、訪問介護の基本報酬が下げられ、怒りが巻き起こっています。3月に国会内で行われた集会にはオンラインも含め1000人以上が参加、このままでは地域を支える中小の訪問介護事業所の倒産が相次ぎ、一人暮らしの高齢者や老老世帯が介護難民になると指摘しています。
いまや介護保険は、国民的願いとなっている「介護の社会化」や「家族介護の負担軽減」、さらには「介護離職の防止」につながるどころか、負担ばかり増えて受けたい介護サービスが受けづらい、受けられない方向へ逆行し、本市をはじめ自治体の努力さえも無にしかねない事態であり、市民の立場から到底容認できる会計となっていないことから、反対します。
以上、反対討論といたします。
次に
陳情第16号「流山市幼児教育支援センター附属幼稚園の廃園方針」の見直しを求める陳情書」について、採択すべき立場から討論いたします。
 昨年10月13日に流山市幼稚園協議会から出された答申は「廃園」の意見だけが出ていたわけではありません。「存続」の意見もあり、「認定こども園化」の意見もありました。にもかかわらず、2週間後に開かれた教育委員会議の議題には、それらの意見は全く反映されることなく、廃園のみの議案が教育委員会議に提案されました。陳情理由1番「流山市立幼稚園協議会の答申をふまえていない」はまさにその通りです。
さらに、幼稚園協議会から答申が出された10月13日から、教育委員会議が開催された10月26日までのこの期間、どういう議論を経て、両論併記だった答申を「令和7年度末をもって廃園とする方針」に至ったのかは、いまだに不明です。会議を開いたわけでもない、協議を重ねたと言っても時間も協議に参加した人数も不明、公金で対価を払う公務員の業務なのに、会議の招集も、式次第も、一切、何も記録を取っていない、まさに、陳情理由2番の「令和7年度末の廃園ありきでのスケジュール設定」通りに強権的にすすめています。
また、「教育を行うための諸条件の整備」のために重点的に講ずべき事項に関して、総合教育会議で協議すること、と、「地方教育行政の組織及び運営に関する法律」でうたわれています。にもかかわらず、陳情理由の3番の通り、いまだに総合教育会議は開かれていません。附属幼稚園の廃園という就学前の人格形成の土台を壊す、もしくは環境を大きく変える重要な事項という行政上の認識不足の表れであり、全くの不見識と言わざるをえません。
そして、陳情理由の4番、附属幼稚園の実績の無視です。教育長は「無視していない」と口では言うでしょうが、10年以上、機能していなかったセンターは残して、千葉県モデルにまで選ばれ、実績を積み、保護者や市民に信頼され、支持されている附属幼稚園はつぶすという判断を下した時点で、それは実績の無視に値します。実際、年度決算時に発表される「行政報告書―主要な施策の成果」にはこの5年間、附属幼稚園の取り組みは一つも報告されていないことからも明らかです。
幼児教育の底上げを図るために幼児教育支援センターを充実させるのは良いことです。しかしそのために附属幼稚園を廃園にする必要はないではないかという委員会での質疑に対し、廃園にするから幼児教育支援センターを充実するということではない、しかし密接不可分だと。意味不明ですが、続く議論の中で、「井崎市政が進めてきた『民間にできることは民間で』」という言葉が出てきました。そして附属幼稚園の立て直しをするには財政負担が大きい、民でできることは民でというスタンスから、バランスをとった、と言う議論となりました。
つまり、附属幼稚園につかうお金はコスト削減してする、ということではありませんか。しかしバランスというなら、井崎市政はバランスよい市政をしてきましたか?整備済みの駅前の道路を再整備するのに総額5億円、幼稚園費用の10年分を投入しています。そもそも市内3園の公立幼稚園のうち、2園を廃止し10年、いまだに財政のバランスでごまかそうとは、議会や市民を甘く見過ぎではないでしょうか。市内格差が広がる中、附属幼稚園での実践で積み重ねてきたエキスを吸い上げ、新しい幼児教育支援センターによって市全体に生かす、という言葉がありましたが、エキスを吸い取られて殻だけ残される側はたまったものではありません。
また幼児教育支援センターのセンター長は、行政上の都合で、教育研究企画室室長とも兼務させられています。教育研究企画室は、この間いじめや学校生活上の悩みなど年間2千件近い教育相談と、フレンドステーションの運営と新設に追われてきました。年間400人を大きく超える不登校の児童生徒に向き合い、一人ひとりの異なる悩みや思いにも寄り添わなければならず、片手間でできる業務量でも、業務内容でもありませんから、今までと同じ組織体系では、市の答弁に何らの保障もありません。
委員会では、最初からやり方を間違えたとの強い指摘があり、教育長は「本来なら幼稚園協議会を立ち上げるときに、まずは保護者の方に、」「きちっと説明しながら、その場で保護者の方の声をきくべきだった」として「この場をかりてお詫び申し上げます」とまでいいました。それならば、いまここで立ち止まり、廃園方針を撤回し、まずはこの1年、不安を広げた現場や保護者に園継続の安心こそ提供すべきです。
流山では今「子どもの権利条約」を市政に生かす機運が高まっています。重要な内容として「子どもの意見表明権」がありますが、パブコメに何十人もの小学生、中学生、高校生たちが「ようちえんをなくさないで」と意見表明をしても、「幼稚園が無いと生きれない」という子どもの声があっても、廃園方針は撤回しない。これで子どもの権利など語れるのですか。
先日の子ども会議の報告会では、市長は声を上げる子供たちを大いに励まし、独裁的な政治は決めるのが早いがそれではよくないと言っていたではありませんか。パブコメや署名という形で上げられた市民の声を無視した、こんな強権的な進め方は、断じて許されません。流山市の教育行政に、大きな禍根を残すことになる、と強く意見を述べて、陳情に対する賛成討論とします。

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