日本共産党流山市議団
いぬい議員の活動

陳情第10号 「物価高騰や家庭用電気代値上げに見合う生活保護基準の引き上げを求める意見書提出を求める陳情書」について、賛成討論しました。

賛成少数となり、「不採択」となり残念です。
私の討論は、以下の通りです。

 陳情第10号 「物価高騰や家庭用電気代値上げに見合う生活保護基準の引き上げを求める意見書提出を求める陳情書」については、採択すべき立場から討論致します。

 生活保護基準は、2013年から3回にわたって連続して引き下げが行われてきました。
この引き下げでは、生活保護の扶助費は、月額で、夫婦二人と子供の世帯でマイナス24,040円(マイナス10.9%)、母と子供二人の母子世帯でマイナス22,230円(マイナス10.5%)など、大きく下げられ、その影響により、生きるだけで精いっぱいという金額しかなく、陳情の文章にある通り、「一日一回の食事」や「シャワーは3日に1回」など、苦しい生活を強いられています。これは、憲法25条が定める生存権「健康で文化的な生活」が送れる様な水準ではありません。まして物価や電気代の高騰が続く今、より苦しい生活を強いられています。
 ある男性は、生活扶助費を「毎年のように下げられて、ついに6万円台になってしまった。買い物は一日千円以内にしてきたが、この頃は値上がりであっという間に千五百円くらいになってしまう。体調が悪くて家にいるので熱中症にならないようエアコンをつけているが、夏季加算もなくなってほんとうにきつい」と話していました。
2013年からの引き下げ対し、2014年以降引き下げは違憲であるという裁判が全国29都道府県、1000人を越える原告でおこされ、「いのちのとりで裁判」と呼ばれています。
 2020年の名古屋地裁判決では、原告敗訴ではありましたが、2012年の総選挙で政権を獲得した自民党が、選挙公約として「生活保護費の10%」削減を掲げていたことに対し、判決文に“厚労省が自民党の公約の影響を受けていた”ことを認める異例の記述がありました。
 そして当初は原告敗訴が続いていた裁判で、引き下げの根拠とされていたデフレ調整の計算式に不備が指摘されるようになり、この間原告勝訴が続き、5月26日千葉地裁でも原告勝訴の判決がありました。この千葉地裁の判例を、生活保護利用者に即刻活かすとともに、被告である本市は控訴をやめるべきです。
また、生活保護基準は国民生活の基盤でもあり、影響を受けるのは生活保護利用者だけではありません。最低賃金や、保育料の減免、就学援助、国民健康保険料や介護保険料の自己負担額の申請減免、障害者支援サービスの利用料、市営住宅の家賃減免など、市民全体の生活にも影響を与えます。
 委員会審議の中で市当局は、陳情文中の生活実態に対し、「人間らしい生活ができているとはいいがたい」と答弁し、本年5月、酷暑の夏に向かい、夏季加算を復活すべきと国に対して意見書を出したということでした。
 政治は、困っている市民に寄り添い、手を差し伸べることこそが、役目です。市当局も努力していることを、議会も後押しするべきです。物価高騰と電気代の値上げに見合う生活保護基準の引き上げを求める願意は至極当然であり、政府への意見書提出はするべきだと意見を述べて、賛成討論と致します。
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