請願第2号 「学校給食の完全無償化の実施を求める請願書」について、賛成討論しました。
賛成少数となり、「不採択」となり残念です。
私の討論は、以下の通りです。
請願第2号 「学校給食の完全無償化の実施を求める請願書」について、採択すべき立場から討論致します。
まず1点目として、学校給食は単なる食事ではなく、食育であり、学校教育の一環です。
憲法26条義務教育無償の立場から、日本共産党は1951年に政府から「学校給食費」も含めて「無償をできるだけ早く広範囲に実現したい」との答弁を得ています。また学校給食法の食材費保護者負担も2018年参院文教科学委員会で日本共産党吉良よし子議員の質問で「自治体の判断による無償化は法律上問題ない」と確認し、給食費無償化への道を切り開いてきました。
本市では県と連携し、2023年1月から第3子の学校給食無償化が実施されています。しかし、第1子、第2子は無償化とはなっていません。子どもはみんな等しく、義務教育は無償の原点が守られるべきです。
2点目として「子どもの貧困」のひろがりが問題になっていることです。
OECD(経済協力開発機構)が警鐘を鳴らし続けてきた「日本の子どもの貧困率」では、7人に1人が貧困とされ、最近少し下がったとはいえ、国際的に憂慮する状況であり、ひとり親世帯では44.5%、2人に1人にのぼっています。
今年4月に発足したこども家庭庁のホームページでは、「貧困の連鎖を断ち切るためには、子育てや貧困の問題を家庭のみの責任とするのではなく、社会全体で解決することが重要です」と書かれ、支援の中身として生活指導・学習支援とならび「食事の提供」を掲げています。
だからこそ、「子ども食堂」のとりくみが全国にひろがり、この流山でも多くの方が「子ども食堂」にとりくんでおられますが、これを地域のボランティアにのみまかせるのではなく、学校給食でささえていくということがたいへん重要になっています。
跡見女子大鳫咲子教授の研究によれば、韓国では給食の無償化が進んでおり、「『困窮する家庭』をどこで線引きするのか」「なぜ(給食費支援制度の)申請をしないのか」「申請した人の子どもの肩身が狭いのでは」などの議論の末に、子どもを分断するのではなく、全員を無償化の対象とするべきだという考えが広まったということです。
保護者の経済力により子供の栄養や食べ物の種類、食事の回数まで格差が生じているだけに、全ての児童生徒がそろって同じ給食を食べることは非常に有意義と考えます。
3点目として子育て世帯の負担軽減と物価高騰対策としての給食費無償化が、今大きく都市部で広がってきていることです。
委員会での討論では、完全無償化がされている自治体は「人口減少が始まっている自治体であり、人口を維持する自治体独自の政策として実施されている」との議論がありましたが、今日本で最も人口の集中する東京23区で給食費無償化が広がっています。今年1月から台東区、4月からは中央区、品川区、世田谷区、北区、荒川区、葛飾区が小中学校の給食無償化を開始、足立区は4月から中学のみ無償化でしたが、10月からは小学校でも開始、大田区が6月から、豊島区と墨田区が9月から、そして江東区と杉並区が時期未定ですが年度途中の導入方針と、まさに都市部での給食無償化の大きな波がおきています。
「子育てするなら流山市」をキャッチフレーズに大きく発展してきた流山市は、いまこそ給食費の完全無償化に踏み出すべきと考えます。
また第2項 「学校給食に、安全で地場産の有機農産物を使用してください。」については、子供のアレルギーが増えている中で、安全な有機農産物を使用することは大変に重要です。
千葉県内ではいすみ市の取り組みが有名ですが、給食で使用することによって環境にも負荷の少ない有機農業を市内で推進していく力にもなりますので、この取り組みはぜひ進めてほしいと考えます。
なお、委員会質疑の中で「生活を切り詰めざるを得ない家庭が増えている状況」「なぜ子ども食堂の取り組みがひろがっているのか」「児童扶養手当利用者と身長体重などの統計調査との因果関係」などを質疑いたしましたが、ご答弁をいただけませんでした。もう少し実態把握が必要だと指摘して、請願第2号の賛成討論といたします。