学校給食問題で県と交渉しました
7月10日、千葉県食文化研究会は農民連、新婦人、自治労連、母親連絡会と共同で、「学校給食の民間委託改善と地産地消の推進」を求める要請書を、森田千葉県知事に提出し、担当者と交渉しました。日本共産党の高野とも市議をはじめ県内の議員や各団体の代表9人が参加し、県からは教育委員会の学校安全保健課、農林安全農業推進課をはじめ11人が出席しました。
要請内容は、(1)教育の一環としての学校給食の充実のため県内の学校給食の民間委託をやめ直営に戻すこと。(2)学校給食はすべて千葉県産の生産物で実施すること。の2点です。
(1) について当局は、県内で何らかの民間委託を実施しているのは48%。国の方針でやっている。献立は設置者(学校)が作り、安全な給食となっているが、運用の改善は指導している。(2)については、食育推進という点でも、食文化や生産者のためにも大切なことだが、ルートの確定がなかなかできない。県で地産地消のための推進会議を設置し、活用しやすいシステムを検討する。と回答しました。
やりとりではまず民間委託について、2月におこなった千葉労働局との懇談では「栄養士と調理員との関係は、業務の独立性がなければならない」との回答でしたが、全県の自治体のアンケート調査では、実際は栄養士が現場に入って直接指導しているところが多いことを指摘しました。また、労働局が「機材・食材など業者に提供されるものに、学校と業者との個別の契約書があること」と回答しているが、実際はほとんどの自治体で個別の契約書がないことを報告しました。
当局は、「栄養士は指示書で調理員に指導しているが、緊急時には声をかけていいことになっている。給食は自治体の管轄であり、運営に責任がある」とし、栄養士が直接指導することは法に違反するということを認めながらも、「民間委託はそれぞれの市町村の実情でやっている。何らかのメリットがあるからだろう。我々は、法令に反することはおこなわれていないという立場だ」と無責任な態度を示しました。
機材・食材の提供については、「フライヤーや回転釜など大きなものは対価的契約が必要」と、労働局が踏み込まなかった有償による個別契約の必要性を示唆しました。いずれにしても、県が民間委託の現場の実態をほとんどつかんでいないことは明らかであり、まず調査するよう強く求めました。
地産地消について県は、「県の学校給食会から納入されている米はすべて県産米であり、他の食品も49品目中40%が県産。とくに特産物や旬のものは80%と増えている」「野菜などは直接のルートを作らないと高くなってしまう。年度内にも市町村に地産地消推進会議を作って推進をと言っている」としながらも、そのための予算は「ない」の一言。「民間委託も直営も安全性はまったく同じ」と、実態を無視した発言がありました。
全国では、地元産の米への助成をすすめたり、県の教育委員会が先頭に立ってJAと連携し、地産地消を推進している自治体があります。千葉県に対して地元産の米への助成を求めましたが、「考えていない」と冷たく回答しました。
子育て中の参加者は「給食にコンビニのサンドイッチが出てびっくりした。家庭でどんなに気をつけていても、学校でこれでは本当に不安」と訴えました。繰り返しおこなっている県との交渉ですが、今後は実際に学校給食に携わっている栄養士や調理員の方たちとの懇談もおこない、現場の声を生かして安心・安全の給食を求めていこうと確認しました。