ぐりーんバスが導入されてから2年。今年は、これまでの事業の検証がおこなわれ、見直しが予定されています。また、高齢化がすすむ中で、高齢者や障害者、子どもなど交通弱者の足を確保することが、住みやすい地域社会を築く上で欠かせない課題との認識も広がっています。
日本共産党は、コミュニティバスをもっと利用しやすく、市役所などの公共施設、駅や病院などをネットワークでむすぶ改善を求めてきました。そんな中、1月23日にデマンドバスを導入し、成果をあげている埼玉県・騎西町を、4人の市議団と市民3人で訪問、視察しました。
騎西町は関東平野のほぼ中央に位置し人口約2万人、高齢化率19%で、鉄道駅のない町です。
ここでは、公共交通の空白地帯対策、高齢者など交通弱者の足の確保、商店街の活性化など町民の願いを受けて、平成18年6月、町商工会が事業主体となり、車両購入と運転業務をバス会社・タクシー会社に委託する「騎西町ふれあいタクシー」を運行開始しました(町は財政的、技術的支援を行う)。 利用者の要望(デマンド)に応じて目的地に行くデマンドバス方式とバス停を回る循環バス方式の二つの形態がとられています。
循環バスは通勤・通学用として早朝6〜8時に運行だが、利用者はごく少ないとのこと。デマンドバスは朝8時から午後7時まで、原則30分毎の21便が運行されています。 車両は8人乗合のワゴン車2台を使用し、料金は大人300円、学生200円、小学生100円。
電話1本で自宅から自宅へ
デマンドバスの利用希望者は事前に登録します。
「9時半の便でクリニックまで予約します」と電話が入ると予約受付センターのパソコンに家族の名前・住所が表示され、目的地を聞き、「予約受け付けました。自宅でお待ちください」と訪問時間を知らせます。これらの情報を運行中のバスに配信し運転手に知らせる、というシステムです。
デマンドバスが特に高齢者に好評なのは役場、老人福祉センター、文化会館など公共施設のほか、病医院、商店街へとどこでも営業タクシーより安く自宅から目的地へ、目的地から自宅へと送迎してくれるところにあるようです。
昨年の利用者は1日平均46人、その88%は60歳以上の高齢者で、目的地の第1位は総合病院でした。