千葉県流山市の市民らでつくる「小山小学校等移転と教育・福祉を考える会」(稲葉守俊会長)が21日に開いた市担当者出席の「説明会」に、地域住民や学童保育関係者ら31人が参加、移転計画への不安や問題点をただしました。日本共産党流山市議団も参加しました。
つくばエクスプレス沿線開発の一環である都市再生機構による区画整理事業で、同線おおたかの森駅前の市立小山小学校を、公共施設の建設・維持管理などの手法である「PFI(プライベート・ファイナンス・イニシアティフ)方式」で移転・新設する計画に、同校の保護者や教員、地域住民などから反対の声が上がっています。
「説明会」では、「駅前の一等地から移転する計画だが、十分な補償交渉をしたのか」との問いに、市は「協議はしているが、施工者である再生機構提示額のまま」と回答。参加者から「移転しなくてもいい施設を、保護者や教師、住民の意向を無視して移転させるというなら、十分な移転保障は当然だ」「再生機構の言いなりでどうするのか」ときびしい意見が相次ぎました。
また、学校給食調理業務の民間委託について、市は「PFI法では可能な限り委託することになっている」「民間業者のアイデアが生かせ、年間六百万円が抑制できる」と述べ、「法に基づく学校給食はできる」と強弁。「他業務はできないのに、調理業務だけが『PFI事業者が市に助言できる』となっている。これで地産地消の給食が続けられるのか」などの声が出されました。
このほか、学校用務員も民間委託することについて、「個人情報は守れるのか」と不安の声が上がりました。
日本共産党の高野とも市議団長は、「住民が不安に感じているどの問題でも納得できる説明はなかった。このまま事業を進めることは許されない。拙速な移転は進めるべきではありません」と話しました。
「しんぶん赤旗」12月22日付 南関東版