千葉県流山市の「九条の会・流山(準備会)」は29日、同市内で、「九条の会」事務局長の小森陽一東大教授を招いて「憲法を活(い)かそう講演会」を開き、満席の250人が出席しました。
全国を駆けまわる小森氏は「今日はこの会場で三カ所目の講演です」と会場を沸かせ、自民党が昨年10月にまとめた新憲法草案について、九条二項を削除し、自衛隊を自衛軍と明記していることや、憲法全体が国民の自由や権利より「公の秩序」を上に置く内容であることを批判。アメリカの世界戦略が改憲の動機となっていることなどをわかりやすく解明しました。
小森氏は、国連憲章と憲法九条を対比し、日本の憲法がより徹底して武力行使を否定している意義を強調しました。1時間40分にわたる講演後、同氏は会場の質問に答え、「九条を守る過半数を獲得しようと全戸訪問を始めたところでは、これまでの取り組みと決定的な違いが起こっている」と話し、6月に予定している「全国九条の会交流集会」を成功させる決意を語りました。
小森氏の講演を聞いた看護師のS子さん(24)は「戦争体験のない私たち青年が自分の言葉で九条を守る意味を語るのは大変ですが、一人でも多くの人に広げていきたい」と語りました。
講演会には、日本共産党流山市議団(高野とも団長・4人)、社民党県議・市議らが参加しました。
「しんぶん赤旗」1月30日付より
「九条の会・流山」(準備会)は、昨年7月に、流山市に「九条の会」をつくろうと30数名の呼びかけ人が集まり準備会を結成しました。この間、呼びかけ人会議や世話人会などを開催。最初の催しとして1.29講演会の成功と「九条の会」アピール賛同者の広がりをつくるために活動してきました。
流山市教育委員会の後援をえるとともに、3万枚をこえるチラシの配布、公共施設や自治会掲示板、駅、民家などへのポスター貼りだし、市内のほとんどの駅で宣伝もおこないました。
講演会では、小森さんの講演の前に、市内の婦人団体、新日本婦人の会流山支部の有志による替え歌とお国言葉で語る憲法九条が披露されました。
会場の南流山センター大ホールいっぱいの聴衆と、小森さんの力のこもった、そして、時折笑いをとっての講演に、参加者は大変励まされました。
会場で寄せられたカンパは9万円を超え、50数名がアピール賛同署名を書いています。その中では、10数名が呼びかけ人になることも表明しています。
「九条の会・流山」(準備会)には、まだ日本共産党、社民党や市民運動の方々が集まっている段階ですが、運動の第一歩として、大変実りある講演会となりました。
世話人会は、さらに運動の和をひろげ準備会が結成された7月までに「九条の会・流山」を結成させようと呼びかけています。